2002年6月3日月曜日

第14回 日本フルートフェスティバル in 札幌

日時:2002年6月2日(日) 14時~  場所:札幌市民会館

ヴェルディ:歌劇「椿姫」第一幕前奏曲br> G.ビゼー:組曲「美しきパースの娘」(指揮=阿部博光)
ライヒャ:シンフォニコ ニ長調より アレグロ(指揮=永野秀行、中学生アンサンブル)
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タファネル:ミニヨンの主題によるグランドファンタジー
J.S.バッハ:無伴奏パルティータ
カミュ:シャンソンとバディネリ
サラサーテ:カルメンファンタジー
ゲーリー・ショッカー:イン・メモリアム
サン=サーンス:アレグロモルト

フルート:加藤元章 ピアノ:石橋尚子

休憩
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調(指揮=佐々木信浩)
トップラー:ハンガリー田園幻想曲(フルート=加藤元章)
ヴィラ.ロボス:ブラジル風バッハ
ビゼー:「アルルの女」よりメヌエット(フルート=加藤元章)

指揮:佐々木信浩  フルートオーケストラ:札幌フルート協会ほか

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早いもので今年で14回目を迎えるらしい。昨年は高木綾子さんを、今年は加藤元章さんをゲストとして招いてのフェスティバルである。年々フルートオーケストラのアンサンブルのレベルも上がっているように思える。

フルートという同属楽器だけで構成されているため、とかく音色の変化に乏しかったり、低音が不足気味のになる。そのため、今ひとつ楽しめないという方もいるのだが(かくいうわたしも昔はそうだった)、今年の演奏は良かったのではないかと思う。

古田戸フルートのコントラバスフルート(チェロの音域)4本に、日本で1台しかないというダブルコントラバスフルート(コントラバスの音域、製作者の古田戸さん自らが演奏に参加)を加えた音色は、独特の重心を得て聴いていて気持ちが良かった。また、数えたわけではないがアルトフルートの層も厚くなったように思える。中低音が優しくしっかり支えることで、本来のフルート音域の高音部分が映えて聴こえたように思う。ヴェルディやビゼーで聴かせてくれた第一列目のフルートの響きは、軽やかできらびやかで、本当に美しいものであった。

ただ、フルートオケの音というのは、低音を増強してはいても頼りなげである。和音の美しさと透明感が魅力ともいえるのだが、キレや強さもどうしても欲しくなる。それをどう表現するかが、フルートオケの限界と、これからの課題かもしれないなどと思うのであった。

なお今回のフルートオケ用の曲は、全て佐々木信浩先生が編曲しているもの。佐々木先生は元札響のフルーティストであり指揮者であったため編曲のツボを心得ている。日本にあまたフルートオケはあるものの、佐々木先生の編曲モノを演奏できる幸運に恵まれているのは札幌だけだろう。

中学生のアンサンブルもここ数年来の企画である。中学生の場合、吹奏楽(ブラバン)でフルートに触るのがほとんどだと思うのに、あれだけの演奏をできるとは驚きである。若いため上達も早いのだろうが、それにしてもと思う。

何と言っても圧巻は加藤元章さんのソロ演奏。脳天を吹っ飛ばされてしまった。これはページを改め書いておきたい。


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