2003年4月20日日曜日

NAXOS 日本作曲家選輯 「武満 徹」


そして、それが風であることを知った 他
  1. そして、それが風であることを知った(フルート、ヴィオラとハープのための) 
  2. 雨の樹(3人の打楽器奏者のための) 海へ(アルト・フルートとギターのための) 
  3. プライス(フルート、2台のハープ、マリンバと打楽器のための) 
  4. 巡り~イサム・ノグチの追憶に(フルート独奏のための) 
  5. ヴォイス(声)(フルート独奏のための) エア(フルート独奏のたえめの) 
  6. 雨の呪文(フルート、クラリネット、ハープ、ピアノとヴァイブラフォンのための)  
  • ニュー・ミュージック・コンサーツ・アンサンブル  
  • ロバート・エイトケン(フルート) /NAXIOS
NAXOSの日本作曲家選輯から武満徹が発売された。フルーティストはロバート・エイトケン。解説によればエイトケンは武満徹を深く尊敬し、二度にわたり武満をカナダに招待しているとか。このCDに収められた曲は、彼らが武満から直接指導を受け、彼のために演奏したものとののこと。収録曲は武満のフルート作品を知るには格好の曲ばかりである。
 
武満の音楽を語ることは難しい。彼の音楽は沈黙と静寂さの中に、限りない色彩と饒舌さを秘めた音楽のように思えるからだ。一聴してモノトーンな演奏からは、煌くような多彩な色彩のハーモニーを感じる瞬間さえある。それが武満の抑制された表現に全く背反しないということ、これは表現において驚くべきことだと思うのだ。このようなモノトーンの生み出す色彩感覚故に、彼の音楽は日本的な情緒、例えば後期の狩野探幽のような雰囲気さえも漂わせる。武満の音楽から能を思わせるという解釈もあるが、哀しいかな、私は能に接したことがないので分からない(>こういうの日本人としてマズイよな(^^;;)
 
また武満は、水、空気など捉えどころのないモノを音楽のテーマとして求めたようにも思える。流れ変遷し同じ形をとることはないのだが一貫してあるもの、そういうことさえ感じさせるのが彼の音楽だ。


残念ながら私は、不勉強にして武満の音楽にそれほど親しんでいるわけではない。またエイトケン(右写真)というフルーティストやトロントで活動するパーカッション・アンサンブルのNEXUSという存在も初耳であった。武満を敬愛する演奏家たちが奏でる武満の音楽。ぐたぐた言わなくても聴くと分かる、武満の曲は美しい。しばし日常の雑事を忘れて聴き入るのも悪くない。


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