2007年9月29日土曜日

[立読み]佐藤可士和の超整理術


山尾さんのところで紹介されていた「佐藤可士和の超整理術」を立ち読みしてみました。佐藤可士和氏といえば話題のアート・ディレクター。ユニクロのTシャツ戦略やファーストリテーリングのコーポレート・デザイン、携帯電話、国立新美術館のロゴデザインなど、多方面に活躍されています。トレードマークのようなソフト・モヒカンも頭頂部が気になり始めたヲヤジ方には羨ましい限り。

そんな彼が、なぜに野口悠紀雄氏のような本を書くのかと。本の感想を書くにあたって、私の場合、一応アマゾンの読者レビュをざっと眺めます。あまり評判が良くないですね。佐藤さんらしくないだとか、凡庸だとか。わたしはそうは思いませんでしたよ。

物理的な整理における「捨てる勇気」とか「捨てるバッファ」だとかの考え方は、今更目新しいものではありません。本書のキモは(野口氏の本もそうなのですが)、物理的な「片付け方法」とか「整理法」ではなく、アイデアの整理方法にあります。それさえも凡庸だと指摘されれば、その通りと言うしかありません。目新しいこは何も言ってないのですから。おそらくは凡人も真似できる画期的な「整理法」とか「発想法」なんてないんです。佐藤氏の発想スタイルをパターン化すると、本書のような「整理法」に当てはまったということなんだと思います。

佐藤氏の言葉と経験に基づいた事例を、あたかも板前が握る寿司のように美味しく提示してくれているのが本書です。佐藤氏の考え方は彼のオフィスのごとく整然として美しく、そして読みやすい。同じネタであっても新鮮です。立ち読みでもあっという間に読めてしまいます(^^;;;

随所で「やっぱりそうだよなあ」と頷きます。彼の言葉で一番印象に残ったのは、『答えは相手の中にある』ということですね。自分のエゴを抑えて、クライアントとのコミュニケーションの中から、相手の願望を具現化して示してあげる。答えは相手が知っているのだから、自らのアイデアは尽きることはない。うーん、至言です。

もう少し安ければ、買ってもよかったかなと。立ち読みでゴメンなさいね。